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銀影あゆの釣りライフ 鮎釣り行脚2013

『釣りと自分』遠い記憶・・・ 2

『いつ頃だろうねーー 覚えていないな』

タバコを灰皿に押し付け、最後の煙を吐きながら渓太は言った。

思い出した様に、記憶を整理する様に少し間を置いてから、

『始めたのは分からないけど最初の1匹は覚えているよ。

 確か、場所は狩野川だった。いや、間違いない。親父と小さい頃に

 行くのは決まって狩野川だったから。』

 

鮎釣りを始めてまだ7年位の僕は、少し昔の鮎釣りや沢山の川を知らないが、

昔は鮎釣りと言ったら、関東の釣師はみんな狩野川に行ったものさ。

と、色んな人から聞いていた。

 

『そうか、狩野川かー。なんか僕は狩野川って、いい釣りしたって記憶が無いんだけど、そんなに昔は良かったの』

 

解禁の時に少し良い思いをするけれど、他の時に行っても小さい鮎しか釣れなかったり、流れの強い通称、瀬と呼ばれるポイントが好きな僕は、あまり詳しくない狩野川に興味が無かった。

 

『どうなんだろうねー。良い・悪いが分かる程の腕前では無かったし、

 なんせ、さっき言ってた始めての鮎って多分、4歳頃だよ。』

 

『そんな小さい頃からやってたのー。』

 

『やってたというか、やらざるを得なかったというか・・・

 まぁ鮎はとにかく沢山いたと思うよ。』

 

そう言えば、彼の親父さんは鮎釣りの名手だったと聞いている。

だから、そんなに小さな頃からやっていたのだろう。

そして、遠い記憶を探しながら、彼は話を始めた。



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